初めての世界マスターズ in 福岡

「本当に、自分にもできるのだろうか?」

世界マスターズ水泳の出場申込みボタンにカーソルを合わせたとき、
ドキドキの高揚感と不安が入り混じり、一瞬、申込ボタンをためらってしまった。

週に1〜2回の練習、40代になってからの競泳挑戦。
なぜ、こうなったかというと、「もう死ぬまでにこの国際大会は日本で開かれない」という先輩の言葉。

2023年福岡で開催された世界マスターズ水泳大会。
50m自由型と男女混合リレーに出場した私の体験を、40代以上のスイマーにエールを込めてお届けいたします。

(ちなみに、次回はシンガポールですよ!)

目次

世界マスターズとは?初心者でも出場できる国際大会

世界マスターズ水泳選手権は、25歳以上であれば誰でも参加できる国際水泳大会です。
年齢別にカテゴリが分かれており、同年代の選手同士で競い合えるのが大きな特徴。
なんと!80代、90代の選手も数多く参加する、まさに生涯スポーツの祭典なのです。

「マスターズ」と聞くと、上級者や元競泳選手しか出られないイメージが私にもありました。
私は、コロナ前の2020年頃、池江選手のバタフライを見て、なぜかバタフライを泳ぎたくなってしまいました。
体力も落ちてきたこともあり、「大人のスイミングスクール」に通うことを決めたのです。
半年後、誘われるままに週2回開催されているマスターズチームの練習会へ初めて参加したものの、長距離を泳ぐ意味がわからず、体験だけで離脱してしまいました。
でも、その1年後、泳力がついてきたからか、もう一度トライしてみたところ、あっという間に1時間がすぎ、そしてその中でターンなど習うことが楽しくなり、「大人になってから水泳を始めた」市民スイマーが誕生しました。

そんなときに、マスターズチームの先輩から誘われた世界マスターズ。
参加方法は、日本マスターズ水泳協会に登録し、大会エントリー期間中に申し込むだけ。福岡大会は2023年8月に福岡市内の複数会場で開催され、世界93カ国から約5,300人ものスイマーが集結しました。

公式サイトによれば、これは単なる競技会ではなく「フィットネス、友情、理解、競争を通じた世界的な祭典」とされています。私も実際に参加してみて、その言葉通りの雰囲気を肌で感じることができました。

エントリー種目と準備内容|50m自由型と男女混合リレーに挑戦

今回私が挑戦したのは「50m自由型」と「4×50m男女混合フリーリレー」の2種目です。

50m自由型を選んだ理由は単純明快。もっとも自信のある種目だったからです。
長距離は苦手、平泳ぎはフォームが安定しない…そんな中で、短距離クロールなら何とか形になるという自負がありました。また初めての国際大会では、まずは確実に完泳できる自信のある種目でチャレンジしたいという思いもありました。

男女混合リレーは、一緒に参加する70代のシニアスイマーが「リレーに出たい!」と誘われたのがきっかけです。40代の私を含め、同い年と30代後半メンズ2名の4人で構成された、まさに「幅広い年代」チーム。
スポーツジムでのつながりが、世界マスターズを視野に入れた練習会にもなりました。

でも、大会の前日にしっかり「もつ鍋」と「とり皮」を堪能し、福岡を満喫したことも報告しておきます。

本番当日の様子|緊張感・感動・達成感

大会当日、マリンメッセに造られたプールは水深3m!
そして、世界マスターズ開催前には、世界水泳が開催されていた会場なのです。
あの池江選手も瀬戸選手も泳いだこのプールで、ど素人の私が泳ぐことにもう大興奮していました。
さらに、協賛企業のヤクルトが飲み放題!

場内アナウンスは英語と日本語で、「ここが世界の舞台なのか」という実感が湧いてきました。
更衣室では、様々な国の選手たちが思い思いにウォーミングアップをしています。プールサイドでは、明らかに元オリンピック選手と思われる恰好の良い泳ぎを見せる人もいれば、私のような一般市民スイマーは、慣れない空気感に右往左往していました。

レース開催前までは、プールでウォーミングアップも兼ねた飛び込み練習ができます。
3mを感じるために飛び込んだ瞬間、静寂と水の綺麗さに「素敵!」って思った瞬間、首がもげました。
そう飛び込み失敗で、水圧に負けて首が変な方向に向いてしまったのです。悲劇!!

そんなこんなで、競技は始まり、50m自由型のレースでは、予想以上の緊張感がありました。
隣のレーンからは英語や他の言語が聞こえてきて、「本当に国際大会なんだ」と実感。スタート台に上がったときは足が震え、肩が耳につきそうなほど上がってしまっていて、深く深呼吸して肩甲骨を降ろし、まさかの飛び込み台でニンマリ笑顔でリラックス!
すぐに聞こえたピストルの音とともに飛び込んで、右側を見たら・・・誰もいない!!
最下位はイヤだ〜!!とそこから必死のロボコンパンチを繰り出すように、50mを泳ぎ続け、突き指覚悟で壁にタッチして、モニターを見ると!!

名前の横に「」がついた!!

結果は、自己ベストの37秒台という悪くないタイム。
何より「世界大会で完泳できた」という達成感がありました。
レース後、隣のレーンの台湾の選手から「Good race!」と声をかけられた瞬間は、言葉の壁を超えた連帯感を感じました。

翌日の男女混合リレーでは、最初に大きく差をつけられたものの、チームメイトとの一体感がさらなる感動を生みました。全員が勝とうと努力をして、4人全員がまさかの自己ベスト更新!
終わったあとはヤクルトで乾杯!

台風が近づいていたため、私はその足で福岡を後にしました。

出場して感じた5つの魅力|また挑戦したい理由

世界マスターズに初めて参加して、私が特に感じた魅力を5つ挙げます:

①国際的な空気感
競技会場に漂う国際色豊かな雰囲気は、日常では味わえない特別な体験でした。
様々な言語が飛び交い、各国の応援スタイルを見るだけでも刺激になります。

②年齢を超えた交流
20代後半から90代まで、年齢の壁を超えたスイマーたちとの交流は新鮮でした。
80代の選手が颯爽と泳ぐ姿を見て、「自分も将来あんな風に泳いでいたい」と思えました。

③自己挑戦の価値再確認
記録よりも、「挑戦すること自体に価値がある」と実感。
たとえ結果がどうであれ、世界大会に出場したという経験は何物にも代えがたい自信になりました。

④国際交流の楽しさ
簡単な英語や身振り手振りでも、海外の選手との会話が成立する喜び。
「水泳」という共通言語があれば、国籍や文化の違いを超えて繋がれることを実感しました。

⑤次の目標ができた
「次は海外のプールで泳いでみたい」という新たな興味が湧いてきました。
2024年はドバイ開催だったので行ってみたかったのですが、さすがに2年連続は遠慮しました。

世界マスターズを目指す人へ|初心者へのメッセージ

「でも自分には無理かも…」と思っているなら、それは本当にもったいないです!
実際にやってみると、旅行では味わえない経験と世界戦に出ているという変な達成感で、人生がレベルアップします。大切なのは「完璧な準備」より「挑戦する勇気」です。

参加に必要なのは、基本的な泳力(種目の完泳能力)と手続き(マスターズ登録と大会エントリー)だけ。
特別な資格や選考会はありません。(※国内大会の記録が必要です)

私は40代になってから本格的に水泳を始め、週1〜2回の練習だけで世界大会に出場できました。
「〇〇歳からでは遅い」なんてことはありません。
むしろ、マスターズ水泳の魅力は年齢を重ねるほど実感できるものだと思います。

迷っているなら、まずは地元で開催されているマスターズ大会を見学してみてはどうでしょうか?
そこから生まれている日本新記録や90代の方の泳ぎは、胸を熱くします!

まとめ|泳ぎ続ける人生も悪くない

世界マスターズ出場は、私の「水泳人生」における大きな転機となりました。
単なる健康維持のための趣味だった水泳が、世界との繋がりや自己成長の手段に変わったのです。

年齢を重ねても挑戦し続ける人々に囲まれ、「人生、いくつになっても新しいことを始められる」という当たり前の事実を、身をもって再確認できました。

単にプールで泳ぐだけでも健康には非常に良いです。
でも、そこに目標が加わると「明るさ」をプラスしたような何かに出会えるかもしれません。
プールだけでなく、どんなスポーツをやっていても得をするのは、「老後の自分」だということを忘れないでください。そして、「競技」には、想像以上の感動と新しい自分が待っているかもしれません。

こんなに記事をバリバリ書いていますが、いまはダラダラとゆったり泳いでいます。
おもしろい仲間と笑い合いながら。

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