
「ChatGPT使ってみたけど、なんか思ったのと違う…」
SNSでは「AIで何でも解決!」「超便利!」と見ない時間はないぐらい溢れている広告。
期待したのに、いざ使ってみると、的外れな回答や妙に硬い文章、時には完全な間違った情報まで…。
こんな経験、ありませんか?
でもこれ、実はAIがダメなんじゃなくて、“私たち人間側のAIに対する付き合い方”がまだ整っていないだけかもしれません。
私はIT業界でプロジェクトマネージャーとして20年以上、様々なチームをまとめてきました。
そこで学んだのは、「人と人との関係構築」のコツです。
そして面白いことに、このコツは「人とAIの関係」にも驚くほど当てはまるんです。
新しいスタッフが入社してきた時のことを想像してみてください。最初から完璧な仕事を期待しますか?
きっと違いますよね。少しずつ相手を知り、適切に指示を出し、徐々に信頼関係を築いていくものです。
AIとの付き合い方も、実はそれと同じなんです。
AIは”部下”や”新人”だと思おう(自分がラクになる心構え①)
ChatGPTなどのAIは、万能のスーパーマンではありません。
むしろ、「優秀だけどまだ指示が必要な新入社員」のような存在です。
私がプロジェクトマネジメントで常に心がけてきた教訓があります:
「期待値を明確にしない上司に、部下は応えられない」
これはAIでも全く同じです。曖昧な指示を出せば、曖昧な答えしか返ってきません。
逆に、具体的で明確な指示を出せば、驚くほど的確な回答が得られるようになります。
例えば、夕食のレシピを聞く場合を考えてみましょう:
×曖昧な例:「夕飯のレシピ教えて」 → 一般的で冒険のないレシピが返ってくる → 結果、つまらない!と思ってしまう
〇具体的な例:「冷蔵庫に玉ねぎ、豚肉、キャベツがあります。小学生の子どもが好きな30分で作れる夕食レシピを教えて」 →家庭状況に合った具体的で役立つ提案が得られる
※これをもっと楽にする方法もあります!(家事時短↓に記載)
これは、新人に仕事を頼む時と全く同じですよね。
「資料作っておいて」と言うより、「明日の10時から行う〇〇会議用に、先週の売上データをまとめたA4の資料を作って」と伝えた方が、期待通りの結果が得られます。
面倒でも、先に詳しい情報を渡しておいた方が、将来の自分にとって楽になります。
とはいえ、部下にでもここまで詳しくはなかなか言えないのが正直なところ・・・
一発で完璧を求めない(自分がラクになる心構え②)
AIとの会話で一番やってしまいがちなのが、最初の回答で100%満足できるものを求めてしまうこと。
これは新製品開発などでよく言われる「ウォーターフォール型」の発想です。
しかし、AIとのコミュニケーションは、むしろ「プロトタイピング」(※試作を重ねること)のように、対話を重ねながら徐々に良くしていく方が効果的です。
プロジェクトマネジメントでよく言われる言葉があります:
「完成を焦っても、未完成が量産されるだけ」
例えば、運動会のお弁当レシピを考えてもらう場合:
- 最初に「運動会のお弁当レシピを教えて」と聞く
- 返ってきた案を見て「もう少し見栄えがする案にして」
- さらに「作り置きできるおかずも入れて」
- 最後に「子どもが好きなキャラクター要素も取り入れて」
このように段階的に対話することで、最終的には自分の理想に近いレシピが得られます。
一発で完璧を求めるより、会話を重ねた方が理想に近づけるんです。(私の体感です)
AIの得意・不得意を知る(自分がラクになる心構え③)
皆さんの周りにも、「料理は得意だけど掃除は苦手」とか「話すのは上手だけど文章を書くのは苦手」という友達がいますよね。AIも同じなんです。得意なことと苦手なことがあります。
【AIの得意なこと】
- 膨大な情報の整理と要約:「江戸時代の食文化を子どもにわかりやすく説明して」
- パターン化された文章作成:「引っ越しのお知らせメールの文例を作って」
- アイデア出し:「小学生の誕生日会で盛り上がる室内ゲームのアイデアを5つ出して」
【AIの苦手なこと】
- 最新情報の提供:「今日の為替レートは?」(AIの知識は学習時点で止まっています)
- 感情を伴う複雑な判断:「義母との関係で悩んでいます。どうすれば?」
- 100%正確性が求められる分野:「この症状は何の病気?」「株式投資のタイミングは?」
AIは、お隣の誰かさん(例えば、収納の達人だけど裁縫は苦手)みたいなものです。
得意分野では頼りになるけれど、全てを期待するのは酷というもの。
AIの特性を理解して、適材適所で活用しましょう。
AIに”期待しすぎない・疑いすぎない”(心構え4)
プロジェクトマネジメントで大切にしてきた考え方に「信頼しつつも、レビューは欠かさない」というものがあります。
AIとの付き合いでも、この考え方は非常に役立ちます。AIの回答をそのまま鵜呑みにするのではなく、あくまで「参考意見」として捉え、最終判断は自分でするという姿勢が大切です。
一方で、「どうせAIだから間違っている」と最初から疑ってかかっても、その可能性を活かせません。
AIの回答をチェックする時のポイントは:
- 引用元はちゃんとある? AIが具体的な情報源を示している場合は信頼性が高い
- 主観と事実の区別はついている? 「〜と言われています」と「〜です」は違う
- 曖昧な部分は再質問で掘り下げる 「それはどういう理由?」「根拠は?」と聞いてみる
例えば、健康に関する情報を得た場合は「これは一般的な情報であり、医師の診断に代わるものではありません」と念頭に置き、重要な判断には専門家に相談するようにしましょう。
日常生活でのAI活用例(家庭目線)
では具体的に、AIをどんな場面で活用できるのか、日常生活の例をいくつか見てみましょう。
家事時短
実際のプロンプト例:「今週の食材宅配に入っている大根、人参、鶏肉を使った、30分以内で作れる夕食レシピを3つ教えて。できれば、作り置きにも向いているものが良いです」
AIなら手持ちの食材からレシピを提案してくれるだけでなく、時短のコツや保存方法まで教えてくれます。また、掃除の効率的な手順や、食費節約のコツなども得意分野です。
必殺技として、画像撮影したものを分析してもらう方法もあります。
例:冷蔵庫の中身を撮影して、写っている材料で夕食レシピを考えてもらう
例:散らかった部屋を撮影して、どういう段取りで片付ければ部屋は片付くのかプランを考えてもらう
正解はないので、自由自在に「やってみる」ことによって、あなたならではの使い方が生まれます。
子育て支援
実際のプロンプト例:「小学2年生の息子が算数の文章題を苦手としています。家庭で楽しく学べる工夫を3つ教えて。特に買い物ごっこなど、日常に取り入れやすいものがいいです」
宿題のヒント出し、年齢に合った遊び方の提案、行事の準備リストなど、子育ての小さな悩みを解決するアイデアをすぐに提供してくれます。
(大きな声では言えませんが、算数が苦手すぎる友人はAIに教え方を聞いていました。それはまるで女優さんがセリフを覚えるのと同じですね!)
家族サポート
実際のプロンプト例:「80代の父の誕生日プレゼントで、家で過ごす時間が長い人向けの5000円以内で喜ばれるものを提案して。趣味は園芸と昔の映画鑑賞です」
プレゼント選び、旅行計画、記念日のサプライズアイデアなど、家族のイベントを充実させるアイデアが欲しい時に頼りになります。
(もっと人間味あるサプライズをしたい場合には、AIではなくて私にご相談ください😊)
自己啓発
実際のプロンプト例:「40代主婦が在宅でできる、初期投資5万円以内の副業アイデアを教えて。パソコンは基本操作ができるレベルで、使える時間は平日の午前中2時間程度です」
新しい趣味の始め方、時間管理術、資格勉強のコツなど、自分自身の成長に関するアドバイスも得意分野です。
英語学習でもAIが相手になってくれます。
例:今日から私は英語を学びたいと思います。気軽に始めたいので、これから毎晩、ディズニー映画から、有名なセリフを私に出題してください。私が翻訳をしますから、間違っていたら指摘してわかりやすく教えてください。
私は、寝る前に毎晩、遊び半分でこれをやっています。
日本人が和訳する固い言葉を自然な言葉に直してくれるので、意外と学びになるんですよ!
まとめ:AIは”人間の相棒”。信頼関係はコミュニケーションから
ChatGPTなどのAIを便利に使いこなすには、単なる”道具”というより”相棒(パートナー)”と考えた方がうまくいきます。
「言い方ひとつで、相手の対応が変わる」のは人間関係でも同じですよね。
AIとの付き合い方も実はそれほど特別なものではないのです。
いますぐ実践できる、AIとの上手な付き合い方をまとめると:
- はっきりお願いする(具体的に伝える)
- 何度かやり取りしてみる(一度で完璧を求めない)
- 得意分野で頼ってみる(苦手なことは期待しない)
- 最終判断は自分で(鵜呑みにしない)
AIに対して「うまく使えるか」ではなく、「うまく付き合えるか」で考えてみましょう。
新しい同僚や友達との関係と同じように、お互いの特性を理解し、コミュニケーションを重ねることで、ChatGPTはあなたの最強のパートナーになります。
これからの時代は、AIとうまく付き合える人が人生を倍以上、楽しめると思います。
「with AI」この言葉をベースに、肩の力を抜いて、どんどん頼っていきましょう!!