
「ChatGPTを使ってはいるけど、もっと上手に使えるような気がする…」
AIアシスタントとの会話、何となく始めてみたものの、思ったような回答が得られなかったり、
もっと効率よく使えるはずなのに…と感じることはありませんか?
実は、AIを使いこなすには「質問の仕方」や「指示の出し方」に、ちょっとしたコツがあるんです。
プロのように毎日使いこなす必要はないけれど、知っておくと「あ、このときあの方法が使えるかも!」と思い出せる高度テクニックをご紹介します。
この記事で紹介する8つのテクニックは、今すぐ全部使う必要はありません。
頭の片隅に置いておくだけでも、AIとの会話が一段階上のレベルになりますよ。
高度テク1:段取りベースでのプロンプト
複雑な内容を段階的に説明してもらうテクニックです。
特に「手順が多い」「順序が大事」という内容に効果的です。
使い方の例:
- ×「引っ越しの段取りを教えて」
- 〇「新居が決まってから入居までの引っ越し準備を、週ごとのTODOリストとして、ステップバイステップで教えて」
ChatGPTは指示通りに
「Step 1: 引っ越し6週間前にすること」
「Step 2: 4週間前にすること」
のように順序立てて回答してくれます。
効果的な場面:
- 料理レシピ(下準備→調理→盛り付け)
- 子どもの宿題サポート(基礎→応用→発展)
- 趣味の上達法(初心者→中級者→上級者)
- 大掃除の手順(部屋ごとのタスク)
ちょっとしたコツ:「Step 1、Step 2…」と明示的に書くよう指示すると見やすくなります。
「まず〜次に〜最後に〜」といった順序を示す言葉を入れると、より段階的な回答が得られますよ。
高度テク2:逆質問してもらうプロンプト
AIに不足情報を質問させて、対話で精度を高めるテクニックです。
最初からすべての情報を伝えようと思えば、めんどくさくなってしまいますよね。
でも、この方法だと必要に応じて詳細を伝えられるので便利です。
使い方の例:
- ×「旅行プランを立てて」
- 〇「旅行プランを考えたいと思っています。足りない情報があれば質問してください」
するとChatGPTは「どちらへの旅行をお考えですか?」「ご予算はどれくらいでしょうか?」など必要な情報を逆に質問してくれます。
効果的な場面:
- ギフト選び(「友人へのプレゼントを考えています。何を聞きたいですか?」)
- 健康相談(「体調不良について相談したいです。必要な情報を教えてください」)
- 学習計画(「英語の勉強法を知りたいです。質問してください」)
ちょっとしたコツ:「足りない情報を質問してから回答してください」と明示的に指示すると、AIは質問モードになります。「あなたは専門家として、私の状況を正確に把握するために質問してください」というフレーズも効果的です。
高度テク3:見やすくしてもらうプロンプト
見やすく整理された形で回答を得るテクニックです。いわゆる「構造化」というヤツです。
表や箇条書き、見出しなどを指定することで、情報が整理され、使いやすくなります。
使い方の例:
- ×「旬の野菜と栄養について教えて」
- 〇「6月が旬の野菜とその栄養価を表形式で教えてください。表には野菜名、主な栄養素、おすすめの調理法の列を入れてください」
効果的な場面:
- 家計管理(収入・支出の分類を表で)
- 献立作り(一週間の献立表)
- 行事の準備リスト(期限付きToDo表)
- 子どもの成長記録(年齢別の発達目安)
指定できる形式:
- 表(Table):「表形式で」「以下の列を含む表で」
- 箇条書き(Bullet points):「箇条書きで」「・(黒丸)で区切って」
- 見出し(Headers):「見出しを付けて」「### で区切って」
ちょっとしたコツ:「Markdown形式で回答してください」と伝えると整形されやすいです。「各項目は100字以内で簡潔に」など、量の指定もできます。Markdown形式だとWordPress 上で見出しをそのまま利用できて便利です!
高度テク4:順番に考えてもらうプロンプト
問題を分解して段階的に考えてもらうテクニックです。複雑な問題や悩みを整理するのに役立ちます。
一般的には、チェーンオブソート技法(思考の連鎖)と言います。
使い方の例:
- ×「小学生の子どもの学力を伸ばす方法は?」
- 〇「小学生の学力を伸ばす方法について:まず、学力に影響する要素を挙げてください。次に、それぞれの要素について具体的な対策を提案してください。最後に、日常生活で簡単に実践できるものをピックアップしてください」
効果的な場面:
- 子育ての悩み(原因分析→解決策→実践案)
- 転職の検討(現状分析→選択肢→決断ポイント)
- 家の収納改善(問題点→解決アイデア→優先順位)
- 健康改善計画(現状評価→目標設定→行動計画)
ちょっとしたコツ:「まず〜、次に〜、最後に〜」と思考の順序を明確に指示すると、AIの思考が整理されます。「それぞれのポイントについて深堀りしてください」と付け加えると、より詳細な分析が得られます。
高度テク5:なりきりプロンプト
特定の専門家やキャラクターになりきってもらうテクニックです。専門的な視点や独自の切り口から回答を得られます。
使い方の例:
- ×「この素材を使った料理は?」
- 〇「あなたは和食の料理人です。白菜、えのき、豚肉を使った簡単な家庭料理のレシピを教えてください」
効果的な場面:
- 料理レシピ(「ミシュラン星付きシェフとして」「家庭料理の達人として」)
- 子どもの勉強(「優しい小学校の先生として」「わかりやすい家庭教師として」)
- 文章添削(「ベテラン編集者として」「人気ブロガーとして」)
- 健康アドバイス(「ホリスティック栄養士として」「スポーツトレーナーとして」)
試してみたいロール:
- 家事の達人(「収納の神」「時短料理の達人」)
- ママ友代表(「3人の子どもを育てた経験豊富なママとして」)
- 古き良き知恵袋のおばあちゃん(「昔ながらの知恵で解決策を教えてください」)
- 整理収納アドバイザー(「コンマリ式で考えると」)
ちょっとしたコツ:「〜の視点から」「〜のように説明して」と具体的に指示すると、その役割に沿った回答が得られます。「〜さんだったらどう答えますか?」というフレーズも効果的です。
実際に存在する有名な料理人さんの名前を入れて、〇〇さんが作りそうなレシピでと試してみてください。
同じ材料でも、返ってくる答えが違っていて、これだけでも楽しめます。
高度テク6:組み合わせて処理するプロンプト
テキストと画像を組み合わせて使うテクニックです。写真をアップロードして分析してもらうことで、より具体的なアドバイスが得られます。
※テキスト、画像、音声、動画など、2つ以上の異なる形式のデータを組み合わせて処理することをマルチモーダルといいます。
使い方の例:
- 冷蔵庫の中身の写真をアップロード+「これらの食材で作れる夕食のレシピを提案して」
- 子どもの算数の問題の写真+「この問題の解き方を小学3年生にもわかるように説明して」
効果的な場面:
- 料理(食材の写真から献立提案)
- 収納(散らかった部屋の写真から整理法)
- 育児(子どもの宿題の写真から教え方アドバイス)
- ガーデニング(植物の写真から手入れ方法)
- ファッション(服の写真からコーディネート案)
ちょっとしたコツ:「この写真について〜」と具体的に何を分析してほしいか伝えることが大切です。
「写真の〜に注目して」と特定の部分を指定するとより的確な回答が得られます。
高度テク7:体験談型プロンプト
自分の体験や状況を詳しく伝えて共感的な回答を引き出すテクニックです。具体的な状況を伝えることで、より実用的なアドバイスが得られます。
使い方の例:
- ×「子どもの偏食をなおすには?」
- 〇「5歳の息子が野菜をまったく食べてくれません。特にピーマンとニンジンは見ただけで嫌がります。これまで隠し包丁や細かく刻む工夫をしてきましたが効果なく、困っています。無理なく野菜を食べてもらうためのアイデアをください」
効果的な場面:
- 子育ての悩み(具体的な子どもの様子)
- 人間関係の相談(実際にあった出来事)
- 健康上の工夫(自分の生活習慣)
- 料理の改善点(失敗した経験)
ちょっとしたコツ:「私は〜です」「こんな状況です」と一人称で話しかけるように伝えると、より親身な回答が得られます。「これまで試したこと」と「うまくいかなかったこと」を伝えると、より実践的なアドバイスになります。
高度テク8:英語で引き出す新ネタプロンプト
特定の場面で英語を使うことで精度を上げる方法です。
日本語よりも英語で回答させた方が優れた結果が得られることもあります。
使い方の例:
- DeepLなどの翻訳ツールを使い、英語で聞く
- 「Please answer in Japanese」(日本語で答えてください)と付け加えて日本語で回答を得る
効果的な場面:
- 専門的な医療・科学知識
- ITやビジネス用語の説明
- 海外の最新トレンド調査
- 学術論文の要約や説明
ちょっとしたコツ:「Please think step by step」(順を追って考えてください)など英語の思考指示も効果的です。「Explain like I’m five」(5歳児にもわかるように説明して)といった英語表現も便利です。
まとめ:知ってて損はしない8つのテクニック
これら8つのテクニックは、いきなり全部覚える必要はありません。
まずは自分の日常でよく使うシーンに合わせて1つ試してみるのも良いですし、頭の隅に置いててくだされば必要な時に思い出されることでしょう。
例えば:
- 料理のレシピを聞くとき → 見やすくしてもらうプロンプト(表形式で)
- 子育ての悩み相談 → なりきりプロンプト(ベテラン保育士として)
- 旅行計画 → 逆質問してもらうプロンプト(必要な情報を質問してもらう)
- 掃除の手順 → 順番に考えてもらうプロンプト(順序立てて)
テクニックを使いこなすより、「AIというパートナーとどう対話するか」という視点が大切です。
「こんな風に聞いてみたらどうなるかな?」という好奇心と遊び心で試してみましょう。
そして「愛」をお忘れなく。
今日から使ってみたいテクニックはありましたか?
初めはうまくいかなくても、少しずつ試すことで、あなただけのAI活用術が見つかるはずです。
AIという知的でたまに暴走するパートナーと、ちょっと賢くなった日常を過ごしてみませんか?