
「ChatGPTにお願いしたのに、なんか微妙な返事しか返ってこなかった…」
そんな経験、ありませんか?せっかく最新のAIツールを使っているのに、期待していた回答が得られず、ちょっとガッカリ。実はそれ、AIの問題というより、私たちの”聞き方”に原因があるかもしれません。
驚くことに、”聞き方”ひとつで、AIの回答は劇的に変わります。この記事では、ChatGPTから欲しい答えを引き出す「プロンプト」の書き方のコツをご紹介します。
プロンプトって何?初心者向け簡単ガイド
「プロンプト」とは、ChatGPTなどのAIに対する指示や質問文のことです。一見シンプルに見えるこの「問いかけ」が、実はAIの答えの質を決定づける重要な要素なのです。
人間同士の会話であれば、「ちょっと具体的に教えてもらえる?」と聞き返すこともできますが、AIは基本的にあなたが最初に与えた情報だけを頼りに回答を生成します。だからこそ、最初の問いかけをちょっと工夫するだけで、格段に役立つ回答を得られるようになるのです。
効果的なプロンプトの3つのポイント
前提を伝える
AIは、あなたの状況を詳しく知らないことを忘れないでください。年齢、目的、制約条件など、背景情報を添えるだけで回答の質が格段に向上します。
×悪い例: 「旅行プラン考えて」
〇良い例: 「60代の両親と京都に行きます。歩きすぎると母が膝を痛めるので、体力に負担の少ない1泊2日の旅行プランを考えてください。和食が好きで、特に抹茶スイーツに興味があります。」
前提情報を加えることで、AIはただの一般的な旅行プランではなく、「60代向け」「体力に配慮」「和食と抹茶スイーツ好き」という条件に合わせた、オーダーメイドのプランを提案できるようになります。
ゴールを明確に
漠然とした依頼ではなく、どんな結果が欲しいのかを具体的に伝えましょう。文字数や形式、使用目的などを明確にするとさらに効果的です。
×悪い例: 「文章を書いて」
〇良い例: 「30代女性向けに、家事と仕事を両立するコツを500文字程度で書いてください。SNSに投稿するので、親しみやすい口調で、箇条書きを交えて読みやすくしてほしいです。」
ゴールを明確にすることで、単なる一般論ではなく、用途に合った実用的な文章が得られます。
AIの立場を指定する
AIに特定の専門家や立場になってもらうことで、より専門的な視点からの回答を引き出せます。
×悪い例: 「健康について教えて」
〇良い例: 「管理栄養士の視点で、40代女性が太りにくい夜ごはんのポイントを3つ教えてください。具体的なレシピ例も1つ挙げてもらえると嬉しいです。」
立場を指定することで、ただの一般的な健康情報ではなく、栄養学の知見に基づいた専門的なアドバイスが得られやすくなります。
よくあるNGパターンと改善例
NGパターン1:抽象的な依頼
×悪い例: 「なんか良い感じにして」
〇改善例: 「このメール文を、取引先への丁寧な断り状として適切な敬語と表現に修正してください。特に、断りつつも良好な関係を維持したいというニュアンスを出してほしいです。」
NGパターン2:前提が抜けている
×悪い例: 「これ直して」(何を直すのか不明)
〇改善例: 「添付した英文の文法ミスを直して、より自然なビジネス英語にしてください。これは海外の取引先に送る製品紹介メールです。」
NGパターン3:複数の質問を一度に詰め込みすぎ
×悪い例: 「ダイエットと筋トレと睡眠の質を上げるための方法と、おすすめの本と、あと朝食レシピも教えて」
〇改善例: 「ダイエット中の30代男性向けに、筋トレと併用できる朝食レシピを3つ教えてください。準備時間は10分以内で、高タンパク質のものが希望です。」
複数のことを知りたい場合は、一度に詰め込まず、会話を分けて聞くことをおすすめします。
日常で使えるシーン別プロンプト例
子どもの自由研究アイデア出し
効果的なプロンプト: 「小学3年生の息子が夏休みの自由研究をします。理科が好きで特に昆虫や星に興味がありますが、あまり専門的な道具は持っていません。家庭にある材料(空き箱、ペットボトルなど)で2日間程度で完成できる自由研究のアイデアを3つ提案してください。」
プレゼント選びの相談
効果的なプロンプト: 「付き合って2年になる彼女(28歳)の誕生日プレゼントを探しています。予算は1万円程度で、彼女は韓国ドラマが好きで、最近料理を始めました。また、猫を飼っていて、インテリアにもこだわりがあります。マニアックすぎないけれど、ちょっと意外性のあるプレゼントのアイデアを教えてください。」
家計簿の整理法
効果的なプロンプト: 「共働き夫婦(子なし)の家計簿の整理方法を知りたいです。現在は給料日に生活費を現金で分けていますが、クレジットカードやアプリを活用した効率的な管理方法に変えたいと思っています。初心者でも続けやすい方法を教えてください。」
まとめ:今スグ試したい「聞き方」のコツ
ChatGPTのような生成AIは、私たちの「聞き方」によって、その実力を大きく左右します。効果的なプロンプトの書き方を意識するだけで、より実用的で満足度の高い回答を得られるようになります。
覚えておくべき基本は次の3つです:
- 前提を丁寧に伝える – あなたの状況や背景を説明する
- ゴールを明確にする – 何を、どのような形で欲しいのかを具体的に
- AIの立場を指定する – 専門的な視点が欲しい場合は役割を与える
明日から「ただ聞く」ではなく、「ちょっと工夫して聞く」を試してみてください。ChatGPTは、あなたの”聞き方”次第で、最高の相談相手やアイデアパートナーになってくれるはずです。
あなたのAI活用生活が、この小さな工夫で大きく変わることを願っています。